原発の封じ込め、最後の最後に来る一手「チェルノブイリ・オプション」?

現在、東京電力や協力会社の方々が全力で取り組んでくれている福島第一・第二原子力発電所の事故防止の取り組み。


全力で取り組んでくれていることには120%の敬意を表したいと思います。そして、取り組みが成功してくれることも切に、切に願っています。


でも、やはり不安は募ります。海外フランスでは、今回の事故をINESレベル6と評価するコメントが出てもいますし、東京電力の会見もあまり要領を得ない模様。本当のところ大丈夫なのか?ということを思わざるを得ません。


現在の冷却・圧力低下の取り組みが失敗に、、、なんていう事態が起こることも覚悟しておかないとなあ、、、と思ったりもします。縁起でもない想定ですし、絶対にそうなって欲しくないですが。


でも海外では、国内報道に比べてかなり厳しめの意見が多い模様、というのは多くの方がご存知の通り。


15日には、ミチオ・カク という日系アメリカ人の理論物理学者がBig Thinkというサイトでこんな意見を。(英文ソースはこちら



If I had the ear of the Prime Minister, I would recommend the "Chernobyl Option."
もしも私が首相にコメントできる立場にあるなら、"チェルノブイリ・オプション"を推薦したい。


□ Put the Japanese Air Force on alert
  航空自衛隊にスタンバイをさせ 


□ Assemble a huge fleet of helicopters. Put shielding underneath them.
  シールドを付けたヘリコプターの大部隊を作る。


□ Accumulate enough sand, boric acid, and concrete to smother these reactors, to entomb them forever.
  そして、砂、ホウ酸、コンクリートで原子炉を包んで永久に埋める。


This is what the Soviets did in 1986, calling out the Red Air Force and sandbagging the reactor with over 5,000 tons of concrete and sand.
これはソビエトが1986年に行ったこと。空軍を使い、5,000トンの砂とコンクリートを入れた砂嚢で原子炉を埋めた。


We have not yet hit the point of no return. But when we do, I think the only option left is this one.
現在の状況は、取り返しが付かなくなるレベルには至っていないが、もしそうなった場合には、最後に残る唯一の手段はこれとなるだろう。


このミチオ・カク氏、言う事が派手な方向に傾く印象があります。ある程度間引いて考える必要はあると思うのですが、海外から見た場合の認識はこのレベルに遠くないところには来ている、とは言えそうです。ちょっと背筋が寒くなります。


でも、確かにこの手法、そこに至って欲しくはないけれど、一定の実績があることは確かです。


政府・東京電力とも、このレベルに至る前に解決をしたいでしょうし、私もそれを強く願います。しかし、どうしようもなくなってから大量の砂やコンクリを準備する、というのでは遅いです。


杞憂に終わることを祈りながら、今からこの種類の「最後の手段」を準備しておくことも必要なのではないだろうか?素人ながらに思います。


縁起でもないので書いてて苦しいのですが、日本ではまだ全くと言っていいほど議論がされていないようにも思いますので、思い切って書いてみました。


追記: 今回の福島の事件が、チェルノブイリ規模の事故に至る!という話ではなく、あくまで、対策の種類に限った話ですので念のため。


追記2: 3月16日に、自衛隊のヘリコプターが上空から発電所に散水を試みるも、既に放射線の数値が高く、散水を断念したというニュースが入りました。放射線の数値が高いまま推移した場合は、上空からの対策自体がそもそも不可能、という可能性はあるのかもしれません。