Axe-FXに見るインターフェイスの方向性。

ギター用モデリングアンプ&エフェクターで、Fractal Audio System社のAxe-FXという機材が最近出てきましたが、日本にもそろそろ出回り始めた様子。
(10/31追記:Ultra, Standard双方を使ったテストシステムを置いてあるお店があるようです)


50種類のアンプモデリング、39種類のキャビネット、多彩なデジタルエフェクト、17種のオーバードライブ、、、なんていうスペックなわけですが、サウンドサンプルなどを聞くと、従来のLine6やBossからは一段上のサウンド


Fractal Audio Axe-FX


音質の好み、またこうしたモデリング機材に対しての是非、というのはエンドレスループに陥りがちなのでここでは触れませんが、新たな試みとして評価されるべき機材には違いないでしょう。


で、このAxe-Fxの外観を改めて見たときに、気づいたことがひとつ。「ずいぶん思い切ったユーザーインターフェイスだなあ、、、」ということでした。


多くの場合、こうしたギター系のエフェクターには、特定の項目を操作することに特化したツマミやボタン −例えば"Gain", "Treble", "Delay", "Reverb"など− が付いていることが多いのですが、このエフェクトにはそういった操作箇所がない。もちろん、Input, Output, I/Oなどのギターエフェクトとして汎用性・グローバル性が高い項目は専用のボタンが割り振ってあるのですが、それ以外はValue, Navといったボタンに全部任せちゃえ!という意図が見えるインターフェイスです。ボタンの数は全然少ないですが、EventideのEclipseなどもこうした方向性のインターフェイスになっていますね、そういえば。


推測ですが、ファームウェアのアップデートに柔軟に対応することの優先度を高くすると、こうした設計にならざるを得ない、ということなのかもしれません。


もちろん、エフェクターの場合、ライブ現場で急ぎで設定の変更を、、、なんてことも良くあるため、少ない手数、願わくばワンアクションで望む項目にアクセスできたりすることが望ましく、こうした点ではG-Force、G-Majorのようなインターフェイスのほうがこの点では圧倒的に有利だったりするわけです。実際に使うとなると、どちらが良い!というのは好みと慣れの問題、、、というところが大きいのでしょう。個人的には、主要パラメータにサクサクアクセスできる作りのほうが好きではあります。


ですが、ギター機材も、ハード側は極力柔軟なインターフェースを配し、あとはファームウェアに任せちゃおうよ、という方向を持ったものがこれからどんどん出てくるのかな、、、なんて感じてもいます。


iPhoneWindows7に限らず、日常のあらゆるところでタッチパネルがかなり普及してきているので、将来的には、ボタン系の操作は全部タッチパネル表示にしちゃえ!なんて時代が来るのかもしれない、など、妄想は膨らむばかりなのでした(笑)タッチパネルなら、両者のいいところ取りはできそうですしね。もちろん、操作性・耐久性などの話もあるでしょうし、まだちょっと先の話にはなると思いますが。