少し先のマルチエフェクター?

前回の記事で、ギター用のマルチエフェクターでも、ハードウェア側のインターフェイスを極力柔軟なものとし、ファームウェア側に多くを任せるような機材が増える傾向にあるだろう、、、という話を書きましたが、その後、いろいろな妄想が出てきました。

現在のあらゆるギター用マルチエフェクターの共通項


現在販売されているギター用マルチエフェクターは、タイプ、価格レンジを問わず、ある共通点を持っています(おそらく例外はないはず)。それは、


エフェクトアルゴリズムは、ハードウェアメーカー自身が作っている。


この一点にあります。BOSS GT-10のアルゴリズムはBOSS製だし、Eventide EclipseアルゴリズムはEventide製、TC Electronics G-ForceのアルゴリズムもTC製。前回の記事で触れた、Axe-Fxも、この例から外れません。


この、ギターエフェクターの持つ大前提に今日始めて違和感を感じたりしたわけです。

DTM機材の世界は意外と柔軟。


DTM機材の世界は、こうした全部自前主義、という世界からは脱却しているように思えます。代表例はVSTでしょう。シーケンサと、サードパーティプラグインを自在に組み合わせて、好みのサウンドが作れる、というわけです。シーケンサーがPCベースになっていたので、こうした方向性に行きやすかった、というのが主な要因でしょう。1個の機械に各社のエフェクトアルゴリズムが乗っていて当然、という世界ですね。


なんでも、今年のWinter NAMMでは、各種VSTをインストールして動かすことだけに特化したラック機器、なんてものまで出ていたそうで。

サードパーティプラグインが使えるマルチエフェクター、という方向性。


こうして、ギター用エフェクターDTM機材の双方を俯瞰していくと、もう少しどうにかならんのかギターエフェクトは、という気持ちも沸いてきたりします。


最近では、ギター用のマルチエフェクターも、ファームウェアのアップデートなどはUSBで行えるようになっています。これをさらに推し進めて、どうせUSB接続が出来るなら、それと同時に、サードパーティのエフェクトアルゴリズムも追加搭載できるような設計というのはできないものでしょうか?


例えば、TCのG-Systemに、デフォルトのReverb各種だけではなく、特殊なタイプのリバーブが後から追加できるとか、場合によっては、Lexiconが開発したReverbアルゴリズムも搭載できるとか、そういったことが出来るとかなり楽しいんじゃないのかな?なんて思います。


プラットフォームとなるハードウェアと、デフォルトのファームウェア・エフェクトアルゴリズムを作ったメーカーが、ブランクのスペースをファームウェア内に設けておき、SDKを各社に提供。周辺各社が開発したエフェクトアルゴリズムを別途USBでインストールする、なんて流れだと、現実味もあるように思うのですが。


もちろん、Windows、DS、PSPiPhoneなど同様、市場の中でそこそこ台数シェアを獲得しているメーカーでないと出来ない仕組みだとは思うのですが、もしも出来たら、ユーザー側がマルチエフェクターを使うときにつき物の、「このエフェクトがないもんだから今度ライブで演奏する曲の対応に困っている」といったことも減ってくれるとも思うし、マルチエフェクターを末永く使うこともできるような気がします。


そんなことを書いている今日にも、ひょっとするとどこかのメーカーが、こうした機材を既に開発途中だったりするのかもしれないですね。デジタル機材の進歩は速いですから(^^)