音楽と複数ループでの学習。

NLPの概念で、複数ループでの学習、というものがあります。学習カリキュラム、ドリルなどの設計により、2つ以上の論理レベルでの学習を促進させること、というのがこれに当たります。


http://nlpuniversitypress.com/html/D63.html


上記リンク先にも書かれていますが、具体例としては、

魚をあげれば、その人は1日しか生きられないが、
魚を獲る方法を教えれば、その人は一生生きられる。

という格言における2つの選択肢の二者択一を超えて、

「だったらさ、一緒に魚を獲りながら、魚の獲り方を教えれば、彼がその日の魚を食べられるようにもしてあげられるし、明日以降は彼が自分で魚を獲れて万事OKじゃん!」


というアプローチを取るわけです。


この場合は、

・ 魚を獲る方法を知識として学ぶ (頭で覚える)
・ 魚を獲ることに実際にチャレンジする(体で覚える)

という形での複数レベルでの学習が行われている、と言っていいでしょう。


Double-Loopの場合は2つの論理レベルでの学習が行われているのですが、もしも効率よく学習が進むなら、Double-Loopにこだわらずに、3つ以上のループをかけることも構わないし、むしろそちらのほうが望ましいケースも多いということも言えるでしょう。


そんなことを考えているうちに思いついたのが、楽器を練習する際の3重ループ学習、というものです。NLPのテクニックを使い、練習を行う際に以下の3つを同時並行で狙う、というものです。

視野を広く保つ(周辺視野寄りにする)
視野を広くすることで、外界の情報や、自分の演奏、体のリラックス状態に細かく注意を向けられるようにする。

体をリラックスさせる 
良い演奏のためのリラクゼーションをつとめて行うことで、楽器の練習を質が高いものにする。視野を広く保つことで、自分の無駄な力みなどにより細かく気づくことが出来るため、リラクゼーションも促進しやすい。

楽器を練習する 
視野を広く保ち、かつリラックスを深めた状態で練習に臨めるため、楽器の練習が実り多いものになる。また、外界の情報に知覚を開いているため、アンサンブルで演奏するときに周囲に気を配ることができる状態が習慣化される。


視野を広げることの練習、体をリラックスさせることの練習、双方を楽器の練習の前段として行うことで、楽器の練習自体をよりよいものにしていこう!というわけです。


現在、実験的に自分のギターの練習に適用しています。方法論としては

・今まで「なんとなく」で行われていた上記3つのプロセスを一度要素分解
・ひとつひとつの要素を吟味・修正して再統合

というものになっています。ひょっとしたら、ここまで書いた時点で、自分で空間ソーティングなどを使って同じワークを作れる方もいらっしゃるかもしれません(^^)


私が楽器をやっているもので、楽器の練習のための3重ループ学習、と書きましたが、外界に知覚を開くことと体をリラックスさせることは、スポーツやビジネスの現場などを含め、人が生きていくさまざまなコンテキストのほとんど全てで有効かと思いますので、この手法の応用範囲はかなり広いと思われます。