算数の問題と考えるアルゴリズムの形成。

日米間での教育の違いを語るときに引き合いに出されるものに、足し算の問題の違い、というものがあります。


日本: 5 + 3 = _

米国: _ + _ = 8


日本式の問題は正解が1つなのに対して、米国の問題は解答が複数存在するため、「問題には複数の解がある」ということを子供に伝えやすい、という違いがある、というのがこの指摘で良く言われることです。実際に、アメリカの学校に日本人が入ると、日本人は、正解は出すのだけれども、みな同じ答えしか出してこない、という話も読んだことがあります。


ここまでは受け売りです。で、ここからが今日の思いつきですが。。。


何か目標を達成しようとするときのマインドセットにも、この問題の違いって影響するよね、ということです。


日本式の 5 + 3 = _  は、「現状/過去にこういう要素がある。さあ、未来はどうなる?」という論理。因果応報型です。


これに対して、米国式の _ + _ = 8 の場合は、「こういう未来を作るためには、何と何が必要?」という論理。未来型とも言えます。


この2つの差異が、子供が「考えるアルゴリズム」を身に付ける上でかなり大きな影響を及ぼすように思えるのは私だけでしょうか。


どちらかと言えば、米国式=未来型のほうが、人生において建設的な考えを養うのには向いているような気がします。因果応報型の考えが中心だと、「現状をいろいろ考慮した結果、打つ手なし」という結論が出る傾向はやっぱりありますので。


まあ米国式でも、使い方を誤ると、ブッシュ政権時代の米国みたいに


「国内GDPの8割は個人消費。国内産業は空洞化している。でもお金は必要。どうしよう?金融工学と戦争しかないのかな?」


みたいなことが起こったりもします。目的のためには手段を選ばず、という思考回路にはなりがちなデメリットは否定できません。こうした無茶な話を避ける上では、日本式=積み上げ式のほうが無難そうですね。


日本も米国も、それぞれの問題を半分ずつ入れると、因果応報型、未来型、両方の思考回路が身に付き、子供たちにとってプラスが多いように思います。