音楽演奏と筋膜と。

Metheny & Mehldau Quartet の A Night Away。ベースはLarry Grenadier、ドラムはJeff Ballardという割と新しめなサウンドを持つメンバーでの演奏。


作曲がMethenyなのでしょうか、彼のソロ作同様にちょっと寂しげな風が吹くような、そんな感じを抱かせる曲。いい曲です。CDが出たてのころ、私のiPodでもさんざんヘビロテでかかっていました。



で、また音楽と身体、っていうテーマになりますが。このバンド全員の共通点が面白いです。


ズバリ、生の筋力だけを使うのではなく、筋膜の引っ張り力を最大限に活用しているところ。


スポーツとか、理学療法とか、そういった分野に詳しい人ならご存知かと思うのですが、筋肉は、意識的に動かして縮む以外にも、もともとの長さや形状に対して、それが伸ばされたときに、元に戻ろうとする力も働きます。で、この、伸ばされたときに元に戻ろうとする力は2種類。

1.伸張反射(プライオメトリクス・トレーニングなどで活用される)
2.筋膜の張力


このバンド4人を見ていると、2.の、筋膜の張力をうまく活用するのがすごく上手。無駄な力がもともと抜けていて、筋膜自体に余計な拘縮、癒着が少なく、よく伸び縮みするバネのようになっている上で、そのバネの力をうまく活用している様子がすごく良く伝わってきます。


特に、分かりやすいのはJeff Ballardでしょう。最初から20秒までのイントロや、1:10くらいからのフィルイン前後などは特に、生の筋力を使っている割合は限りなく少なく、体全体がその引っ張り力だけで動いているような印象を受けます。


先日、ライブで右手の動きなどをほめられた、という嬉しい出来事がありましたが、このJeff Ballardを見てしまうと、道は長いぞ、、、という感じです。でも、自分自身の体で分かってることは、「筋肉の引っ張り力をうまく使えると演奏は格段に楽になるし、音色なども良くなってくる!!」ということ。私の場合、20代のころに筋膜だけに留まらず、心身全体がボロボロになった時期があり、試行錯誤を繰り返してでやっと人並みになってきた、という状況ですが、今後も楽しみながら上達していきたいものです。


ちなみに、先日このBlogで書いたサラ・ブライトマンですが、彼女の場合は、はるかに全身の筋膜のコンディションは良い状態です。ヴォーカルで動作は小さいのでわかりにくい面もありますが、使い方も上手です。


ちなみに、筋膜をほぐす効果のある方法には、ロルフィング、ストラクチュアル・インテグレーション、理学療法オステオパシー系の筋膜リリース、クラニオセイクラル・セラピーなど、多様な種類がありますが、どれが一番いいか、というと、どれも帯に短したすきに、、、という印象があります。どれも効果がないとは言わないのですが、シンプルさに欠ける上に、それぞれカバーできていない範囲があるようです、というのが私の見方だったりします。


じゃあ、以前このBlogで書いた「ゆる体操」がいいのか?ともなるのですが、これもやっぱりこれ単体ではガンコな筋膜の拘縮、癒着を取るには不足している面もあり、ここの対策をきちんと担保してあげる方法はまた別に存在していたりします。


ちなみに、筋膜って、女性の美容なんかにも多いに関係していたりします。私も一時期、30分くらいで女性の顔を小顔にする!!などで遊んでいた時期がありました(笑)


ビール飲みつつ書いているからか、話が音楽からずいぶん飛びました(笑)