イチロー選手の右半身が心配になる。

イチロー 4−0、打率2割6分に下降


他の日本人メジャーリーガーが2割6分なら、「そんな時期もあるよね」で済むのですが、これがイチロー選手となると話は別。これまでの活躍と比べれば、単に「悪い時期」で片付けられない重みがあります。


真っ先に頭に浮かんだのは、動きに陰りが・・・?という言葉。


そう、動き。


イチロー選手の技術で、特筆すべきことの一つは、身体の動きがとにかくスムーズでムダがないこと。ここまで成績が下降するということは、ひょっとしてその「動き」自体に陰りが出てきているのでは…?と思い出しました。


仕事柄人の身体のあり方を観察することが多いことから来る職業病、といえばその通りなのですが、どうしても気になり(また興味も沸き)、2004年(シーズン最多安打達成時)、2010年、2011年のイチロー選手のバッティング映像を何度か見比べてみました。(映像へのリンクは本記事末尾に掲載。)


見比べた結果、一番気になったポイントは、


今年のイチロー選手は、右半身(特に肩甲骨〜広背筋〜腰。ユニフォームの"O(オー)"の文字と"1"の文字の周辺)の動きが昨年と比べてわずかにギクシャクしており、筋肉が硬くなっているのが目立つ。2004年と比べるとその差が更に際立つ。


というポイントでした。以前のイチロー選手にあった「美しい動き」がこのポイントを中心に損なわれているのです。身体を見ることに慣れていない方は、バッティングそのものよりも、バッティング後一塁に向かって走っていくところでの右半身、とりわけ背中の動き・反り具合・骨盤の動きをご覧になったほうが分かりやすいかもしれません。


Youtubeの映像を見て分かるレベルの動きの違いは、スポーツのパフォーマンスには明らかな影響を与えます。イチロー選手のような、超ハイレベルな環境に対して正確無比な技術で立ち向かって結果を残して来ている選手ならなおさらのことです。


もちろん、スポーツは「動きの良し悪し」だけで全てが決まるもの具体的な技術、その時々の環境など、様々な要因が関わります。上に述べた「動き」に関する変化が、現在の不調の唯一の要因と言い切ることは出来ませんが、良い影響・悪い影響で言えば、明らかに悪い影響を与える種類の変化でしょう。また、この変化によりあの美しい動きが損なわれて来ているのも個人的にはすごく残念です。


イチロー選手が大好きな一人として、この右半身はすごく気になるポイントです。昔の動きをぜひとも取り戻して欲しい!と強く思うのでした。


動きを観察するために使った、年度ごとのイチロー選手の映像はこちら。
2004年

2010年(埋め込み不可画像のためリンクのみ)

2011年(埋め込み不可映像のためリンクのみ)